建築士カトーのヒトリゴト

能登半島地震原因(1)

今日から能登半島地震の原因について語りたいと
思います。

ここの書くことは、「私が判断出来る範囲の事である」
ことを先に付け加えておきます。

正確に原因追及するには、住居者の了解を取りながら
被害物件を出来るだけ数多く内部調査する必要があります。

それには、一民間の建築士という立場ではなかなか難しく、
公の調査団の報告がこれから続々出てくると思われます。
そちらをご確認して頂き、私の短時間の考察と比較される
ことを望みます。

原因

1.壁量が少ない

耐震壁と呼ばれる壁がすくない。
いわゆる筋交いの入った壁が少なかった。
中でも、筋交いがX方向にも、Y方向にも無く
柱の細い建物は倒壊してしまっていた。

今回一番多い被害の原因だと思われます。

門前地区筋交い無.JPG
筋交いのある壁が見あたらないで倒壊してしまって
いる建物、柱も細い

穴水町 筋交い無.JPG
明らかにX方向にもY方向にも筋交いが無い建物

決定的に壁量が少なかった。

ただ、6寸柱程度以上の太い柱がで折れずに揺れで、力を
抜いて、踏ん張ったと思える家もあったと、専門家の報告が
ありました。

このような家では、柱が、土台からの引き抜かれる力が
壁量の多い建物に比べ小さくなる事が逆に幸いしている
と思われます。

ただ柱の大きさは通し柱、隅柱、出隅柱が120×120以上
その他の柱が105×105が一般的です。
(正確には建築基準法では瓦屋根の場合、階高×1/28以上
が1階の柱太さ)

そこで、今の基準では耐力壁が必要となります。

筋交いがバランス良く沢山入っている方が
水平抵抗力(耐震診断で言うD×Eです)が増します。

この量には最大値は無く、沢山入っているほど耐力壁
があることを示します。
多ければ多いほど、硬い建物となり、固有周期が短くなります。
(固有周期については、地盤の話で詳しくお話しします。)

まぁ、バランス良くある程度は筋交いが無いといけませんね。

耐震診断の経験から言いますと、昭和56年以前の建物は
殆どが壁量不足です。
また、昭和56年以降では、壁量が足りているけれども
バランスが悪くなっていることが多いように思います。

バランスについて次回お話しします。

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