今朝は夜中から、東海地方では雨が降っています。
昼頃には上がる見込だそうです。
毎日庭の鉢に水やるだけで、朝の時間の無い中大忙しなのですが、今日は雨だったのでその時間ゆっくりさせてもらいました。
小さい庭に、植木鉢やプランターが今70鉢くらいあるのではないでしょうか。手入れも大変なので、多くても100鉢以上には成らないように心がけています。
基本的に、季節の花ばかりです。1年草ばかりです。それだけに、1年中何かの花を咲かせておくには植え替えが頻繁でなければ成らず、まぁ一苦労ですが楽しいものです。綺麗だしね。
さて、含水率の話の続きをしましょう。
含水率の話(2)
さて、木は乾燥して使うことが原則です。
乾燥させることで、木に収縮の少ない精度の高い品質を要求するのです。
乾燥は「天然乾燥」と「人工乾燥」があります。
伐採した直後の未乾燥の木を「グリーン材」
天日乾燥の天然乾燥の木材を「Air Dry材」 (AD材)
人工釜(kilnと言います)で、木材の芯の結合水を強制的に乾燥させた材木を「Kiln Dry材」 (KD材)と読んでいます。
含水率はグリーン材で28%前後、AD材で22%前後、KD材で18%くらいが一般的な入荷してくるときの含水率ではないでしょうか。
ところが、平衡含素率まではまだ開きがあります。
平衡含素率い近づくにしたがって、収縮し狂い をだします。
ようするに、上棟し家の形をしてから平衡含水率になるまで、収縮が進むということなのです。
私は、数年前まで地元天龍の木材を使いませんでした。
KD材を造る技術がないためAD材を使うしかなかったか
らです。
現在の厳しい競争社会の中では工期も重要な受注要素となっています。工期が短ければアパート家賃も少なくてすみますからね。
そういう状況では、未乾燥材(AD材を含む)の梁の上に根太を組み、床を仕上げていきます。当然乾燥が進み梁も根太も縮みが進行します。完成後しばらくして、床鳴りが始まる大きな原因の1つとなります。巾木とフローリングの取り合いに隙間がところどころ出来たりするのも、これが原因です。
住宅保証機構の一戸建住宅性能保証制度「規則集」の中で別表で短期保証の内容が示されていますが、その中にわざわざ「木材は経過により収縮するもであり、羽目板、縁甲板、巾木等に多少の隙間ができることはやむをえないことであり、住宅の品質又は性能を損なうものではありません。」と明記しています。
事前に良く木の性質を説明しておかないと、竣工後のトラブルの原因となります。
10年20年と住んでいる一般木造住宅で床鳴り(床のきしむ音)が全くないお宅はありません。(ウグイス張りのような音は違います)
木造住宅は完成後平衡含水率に向かってどんどん乾燥し収縮していきます。小さな床鳴りは木造住宅の宿命と言えます。
話戻りまして、最近では天龍の組合や竜山森林組合では試行錯誤のすえ、乾燥の技術を確立し、出荷できるようにようになりました。
私も最近では沢山使ってます。地域の木を50%以上使うと上限で40万円の補助金のでる「天竜材の家百年住居る事業」という制度が浜松市にはあります。
同様な「しずおか優良木材の家支援制度」という制度が静岡県にもあります。
今では積極的に制度の利用もお話ししています。
なかけんハウジングの「やすらぎ」「こもれび」シリーズはこの対象であり、完成後の評判も大変良いです。
ところで話もう一度戻りまして、家を造る工期は、昔は1年以上あるのが当たり前でした。その昔は2年も3年も時間を掛けて家づくりしていました。
大工さんは加工場で、乾燥具合を見ながら時間を掛けて加工していました。そして、上棟して屋根工事が終わると、何ヶ月も放置して乾燥と収縮を待ったのです。外壁に土壁漆喰を用いるときは、下塗りをしてまた何ヶ月も乾燥収縮を待って仕上げをしたのです。
私の意見ですが、住宅金融公庫がその姿を一変させたのではないかと思っています。
低金利の為多くの人が公庫融資を受けて家を建てるように成りました。
公庫にはその規定に「何日以内に、何々まで行うこと」と工程時間が決められて、そこには乾燥という作業に時間が与えられていません。
大工さんはAD材であっても、グリーン材であっても乾燥させる間もなく次の作業をせざるしかなかったのです。
長く成ってしまったので今回はこの辺で終わりにしておきましょう。
今回は木材の含水率の話でした。次回は何のお話しにしましょうか。結構ブログってプレッシャーですね。(^O^)
追記
私の知り合いの大工さんの話ですが、「昔加工場でホゾ穴をノミで掘り加工していたら、次の日水がしみ出てたまっていた。」という話を聞きました。「天井裏で梁が裂ける音が一冬続いた」なんて言う話も、KD材を使う今ではなくなった話です。
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