建築基準法改正の話(3)
①構造計算適合性判定
についてお話しします。
この内容は
「一定の高さ等以上の建築物について、建築主事等は都道府県知事又は知事が指定した構造計算適合判定機関に構造計算が適正に行われたかどうかの判定をもとめる」
というものです。
「一定高さ以上の建物とは」
木造
高さ13m又は軒高9m超のもの
鉄骨造
地階を除く階数が4以上であるもの、 高さ13m又は軒高9m超のもの加構を構成する柱相互の間隔が6m超のもの(ただし偏心率15/100以下等の条件に適合する場合は12m超が対象)延べ床500㎡超のもの
他
鉄筋コンクリート造
高さ20m超の物
鉄骨鉄筋コンクリート造
等
です。これらの物件は確認申請が出された場合、建築主事は構造計算適合判定機関に構造計算が適合しているかの判定を求めることになりました。
その費用も明確に示されました。
1000㎡以内の時
大臣認定プログラムで構造計算された物件は107,000円、認定されていないプログラムで構造計算された物件は156,000円、
1000㎡~2000㎡
・・・・円
など
ここで、さらに問題になっているのは、今だ、認定プログラムが市販されていない事です。
認定プログラムでないと各設計事務所が任意のプログラムで設計することになります。その為、判定機関で分かるような内容での構造計が必要となり、煩雑になり、大変な費用と時間が、構造計算設計事務所でかかっていると言う現状が今あるのです。
判定機関も人員体制も、システムの整わない中での出発となり、判定機関に廻る物件は建築確認申請がおりるのに70日目一杯日数がかかるのではないかと言われている理由の一つです。
講習では認定プログラムは秋10月まで出ないとの話でした。
現実私の関わっている物件も、この事態で構造設計事務所さんが大変混雑していまして、構造設計事務所さんに2ヶ月待ちで何とかお請けいただきました。その後さらに確認申請が70日かかるとなると、基本設計完了後着工までに3ヶ月、4ヶ月かかることに成ってしまうことになるのです。
さらに申請は提出後、現在では誤字脱字以外は、軽微な変更も何も確認申請の訂正が認められていません。
やむを得ない事情で設計変更が起きたり、減額案による変更(VE)をかけたりして、申請後確認申請内容と違いが出た場合、再度の確認申請提出が必要となります。
天井高さを変えれば空m3が替わり24時間換気計算も変わります。
仕上げを変えれば内装制限も変わります。
構造体の変更でなくても、今までのように簡単に変更をして、コストダウウン、工期短縮を狙う、新工法の採用などの前向きな目的でも、設計変更は難しくなるのではないでしょうか。
「試験杭を打ったら、設計と違う結果が出て、再度構造検討が起き、再建築確認申請提出、また70日かかるのでないか」と言う事例がすでに弊社で発生しています。
「工期延長となれば、3月入居の予定が全く狂う、オープンが間に合わなくなる、融資がされなくなる など、お施主さんが大騒ぎになる」の意味がお分かりかと思います。
続く
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