地域に見合った家づくり(2)
前回、気候の温暖化をお話しすると同時に、浜松市地方がいかに暖かい地方であるかデーターでご説明いたしました。
生活様式ではどうなっているか整理してみましょう。
北海道の建築は厳寒の気候に耐えるため独特のつくりがなされています。
窓はサッシ自体が二重になっており、硝子も複層硝子(ペア硝子)に成っています
壁の中もしっかりとグラスウールやポリエチレンフォームなどの断熱材がしっかり入れてあります。
さて、インターネットなどによって情報の共有化が進み、日本でも沖縄に次いで最も暖かな地方に住む私達も厳寒の地の人達の建築日記をなるブログを多く目にするようになって、遠いところに住むはずの人の話が身近で手に入れることができます。
私は住宅というものは、北から南まで3000kmの日本では、地域ごとに仕様が違って当たり前だと考えています。
ブログの中の話はいったいどこの地域に家を建てた人の話なのか、いったいどこの地域を主体に営業しているメーカーさんなのか工務店さんなのか知っておいて読むべきです。
私のところにも違う地方の人の「我が家の建築日記」なるのもを読んで、そのままその仕様を持ち込んでくるお客が最近多くなってきました。
大変危惧しております。
冒頭お話しした、北海道の家、きっと高気密高断熱の家でしょうね。話だけ聞くと、あこがれますね。同じ構造で建てたくもなります。
しかし、良く調べると、冬になると日中でも零下の外気温が続く地方の話です。前回のデーターで、札幌市の1971年からの30年間の1月の平均気温は-4.1℃で浜松より9.9℃も低いのです。
おそらく、真冬に厚着して室内で過ごす浜松市地方の生活様式と冬にがんがん暖房してTシャツで過ごす札幌市の生活では室温設定が3℃、4℃は浜松のお宅より暖かくしていると考えられます。
外気温と室内温度との差が、14℃も違うことは大げさの話ではなさそうです。
このシリーズでは、私の母校の芝浦工業大学の環境システム学科で教授をしている三浦昌生先生の著書も元に(営業を目的な外断熱などの偏った意見を最もらしく書いている本が多いので注意しましょう)営業トーク無しの公平な立場のお話しをしていきたいと思います。
今回調べたところ、学術的な公平な文献が本当に少ないことに驚きました。目にとまるのは住宅会社、材料メーカーの出している、宣伝本ばかりなのです。そのような偏った考えの本や、ブログに洗脳されている方々に、公平な考えを是非知ってもらいたいという目的で、今回の断熱と結露のシリーズを書くことを決めました。
だんだん、本題に入っていこうと思います。
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