忍び寄る改正建築基準法不況
改正建築基準法の施行に伴って生じている建築確認業務の停滞は、中小規模の設計事務所や建材メーカーなどの経営に打撃を与え始めています。
弊社の下請け業者さんでも、杭業者さんは「全く仕事が止まった」と話しています。
8月住宅着工件数は前年度43.3%ダウンがここに来て、住宅関係業者もガクンと仕事量が減ってきていると話が相次いでいます。
今後、仕事量確保が重要に成ってきます。
民間の指定確認検査機関のアテストアーキ(神戸市)は、“11月末で確認検査業務を廃業すると決めた“という話が入ってきました。
建基法の改正に伴って業務に生じる手間が増したものの、ライバルとなる公益法人の指定確認検査機関が値上げしなかったので、経営が立ち行かなくなると判断したそうです。
一方、“東京パークエンジニアリング(東京都港区)は10月4日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日に監督命令を受けた。同社は立体駐車場施設の設計や施工などを手がける資本金3500万円、社員数55人の会社だった。
改正建基法の施行に伴って確認申請手続きが停滞した結果、工期の遅延などが発生。資金繰りが悪化して、10月5日の決済資金が調達できなくなった。同社では、建基法の改正が破たんの引き金を引いたとみている。“というニュースも入っていました。
日経アーキテクチュア10月22日号では、準備不足のまま施行に突き進んだ改正建基法が、建築産業にもたらした悪影響の兆しを「建基法不況」と題して特集しました。
設計事務所や建材メーカー、民間審査機関、などの経営者が示す苦悩からは、改正建基法が建築界をむしばみ始めている状況が浮かび上がってきます。
日本銀行は10月15日に公表した同月の地域経済報告のなかで、改正建基法の影響によって住宅投資が日本全国で落ち込んでいると報告しました。翌16日の閣議後の会見で、大田弘子経済財政担当相が改正建基法の施行に伴う住宅着工の落ち込みが、GDP(国内総生産)に対して「なんらか影響を与える恐れがあるかもしれない」とコメントしたことも一部のメディアで取り上げられました。
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