断熱と結露(7)
「外張り断熱工法」 と 「充填断熱工法」 で暖かさの違いはでません
断熱と結露(4)でお話しした通り、外張り断熱工法と充填断熱工法に暖かさの差を論じるのは間違いです。
もう一度、確認しましょう。
結露及び気密の問題を論点から外すとします。
今回外張り断熱工法と充填断熱の暖かさの差を再度取り上げるのも、私のところに「暖かくして欲しいから絶対外張り断熱工法」と行ってきた方がいるからです。
その方どう説明しても、どこかで仕入れた知識(どうもどこかのブログらしい)を信じきって私の説明を、言い訳に取ってしまって信用しません。
今は、メーカーや自社製品の良い点を並べ立てて、他社製品を批判する者を信じ切っている人がいます。
市販されている営業用の断熱系の本を一方的に信用してしまっている人います。
ベストセラーとなっている『いい家が欲しい』などは、本当に外張り断熱工法の家を売りたいだけの本です。
10月に東京で前の財団法人建築環境省エネルギー機構環境部長さんの講演を聴きましたが、この本を批判していました。
この本の中の一節ですが
『 「外断熱」、「内断熱」の違いを知らないで家造りをすることは、ブレーキとアクセルの違いも分からない人に車を運転させるようなものだ。 一流とされている設計士、建築家ですら、無知、無関心、無頓着の人が多い。 』
などと自信満々に書いていますが、この方、内断熱と充填断熱を間違えています。
内断熱工法は私のブログ『断熱と結露(6)』で話しました通り、RC壁などの内側に施工する断熱工法のことです。ここで言っているのは充填断熱工法のことです。
正確には外断熱でもなっく、外張り断熱です。
こんな間違いも平気で他の設計士を無頓着と責めています。
少し熱く批判しましたが、本当に営業のために何でも強気で説得している人がいるので注意していただきたい。
あまりに素人さんが、間違いを信じている断熱知識と思うからです。
外張り断熱工法にはそれなりの良さは沢山あるのだけれど、暖かさだけ言うのならば少し違うと説明したい。
暖かさは断熱材の持つ熱伝導率の差で優劣が決まります。
熱伝導率が小さいほど断熱材の性能は良くなります。
熱抵抗値(R値)で言う場合も多いです。
R値は抵抗値ですから大きいほど断熱性能は高くなります。
厚さ100mmの断熱材のR値は
R値=厚さ0.1(単位:m)÷ 熱伝導率 で出すことができます。
次回は
次世代省エネルギー基準を例に断熱材の厚さや比較から性能比較のお話しをします。
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