建築士カトーのヒトリゴト

改正建築基準法(19)

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改正建築基準法来年からの動き


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おはようございます。

残りのあとわずかに成ってきました。
暮れの挨拶回りもようやく終盤になり、溜まった設計計画に取りかかりたいところですが、なかなか時間が作れません。

築百年の民家の解体古材を使っての、車の出入りと人の通用門のある大きな門の設計が、大きく遅れ気になっていますが、取りかかることができないでいます。

計画2軒と、設計変更図面作成1軒、適判に廻る大きな住宅の確認申請が審査機関との調整で止まっている物件が1軒
直近ですぐやらなければ成らない設計が溜まっています。
年が越せません。輦嶺

時間がほしいですね。

今日はこのあと、暮れの安全パトロールに出かけます。


さて、

今年6月20日の改正建築基準法は、日本全国を大きな嵐に巻き込みました。住宅着工件数の大きな落ち込みもあり、適正判定機関の新設等による大きな確認申請て停滞など、倒産企業も出る状態です。練寧

来年からさらに法改正が順次行われます。

みなさんご存じでしょうか。

来年からの法改正を今日は単純化して紹介します。

(後日詳しくお話ししましょう)

まず


2007年6月20日
A.改正建築基準法が改正されました。

目的は確認申請の厳格化を目的としていましたが、準備不足のままの改正に「改悪」と酷評されています。練廉


2008年
B.省エネ住宅優遇税制

開口部などの断熱化などの省エネ改修に所得税を軽減する省エネ改修税制、認定した超長期住宅に対して固定資産税を半減する優遇税制を2008年税制改革大網に盛り込むこと与党が決めました。

いわゆる「200年住宅ビジョン」と呼ばれるものが政策化されたものです。

国土交通省は2008年までに次世代省エネ基準適合住宅を50%まで引き上げる予定です。

ちなみに、「断熱と結露」のブログでお話ししますが、次世代省エネ住宅で全室暖房を行うとⅣ地区(私達静岡も入っています)では帰ってエネルギー消費量が上がってしまう試算がされていると報告されています。

高気密高断熱住宅は全室冷暖房の気調システム併用が絶対条件です。

コストを考え高気高断熱住宅にして、気調システムを採用しない住宅はどこで酸欠事故やチョットの火気使用での一酸化炭素中毒死事故を起こす危険が大きい。実際数多くの事故が起きています。高気密高断熱住宅(すなわち外張り断熱住宅と言っていいと思いますが)で気調システムを採用しないで、1種や3種の換気システムを採用している住宅会社は顧客受けを狙っているだけの外張り断熱住宅を造っているに過ぎません。


2008年
C.4号建築物特例の見直し
4号建築物いわゆる住宅類のことですが、これらに特例としていた法律を見直しされます。

見直し後は新設される構造一級建築士が設計した以外の4号建築物は、小屋伏せ図、軸組図、壁量計算書などが確認申請時に提出することが義務付けられます。

小屋伏せ図などはプレカット工場毎違ったものになります。私達のところではプレカット工場の2,3社から見積を取り競争の中でプレカット工場を決めていましたが、確認申請提出前にプレカット工場を選定する必要があり、着工が遅れる、コスト競争が無くなり高い買い物になるなどの弊害が予想されます。


2008年
D.窯業系サイディングのJIS規格改正

2006年6月の住生活基本法の施行に当たり、JIS A 5422「窯業系サイディング」の改正によって、現行の最小厚さ12mmを廃止し、14mm以上とする方向で進んでいます。

(2008年通常国会へ「住宅長期利用促進法」提出の方針)
これによって、2008年2月以降は各メーカーは製造を中止に踏み切ると言われています。


2009年
E.建築士制度が変わる

1.建築士の定期講習が始まります。
2.受験資格も見直しされます。
3.新設される構造一級建築士、設備一級建築士制度もスタートします。
4.建築士報酬基準が見直しされます。

建築コストがここでもアップ要因となっています。

従来受験できた受験生が、建築士受けたくても受けられない未資格者に分類される人が出てきます。

従来通りの受験は来年7月が最後と言われています。
来年は激しい1級建築士受験戦争となるでしょう。練玲


2009年10月
F.瑕疵保証に関する供託・保険加入の義務化がスタート

全棟での義務付けです。住宅建築のコストアップは避けられません。保険料のコストアップはしかたないとして、保険を選んだ場合、検査も全棟義務付けられ、検査自体も厳しくなりその為の特別な業務も多くなります。検査立会は1棟当たり2,3回が増え人件費のアップも発生します。これを施主に負担させる事は道義的に難しく経費削減で社内処理せざる得ない状態となるでしょう。秊玲


以上の項目はそれぞれ毎に、来年早々からブログでUPしていきます。

建設業界はこの1年激動の年でしたが、来年からまだまだ激動の建築業界の流れは続き止まりそうにありません。

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