同じ木でも名前が違う
ある本によると、関西地方で調べたところ、知名度が高い樹木は
サクラ・マツ・イチョウ・スギ・ヒノキ・ウメ・カシの順だそうです。
マツはお馴染みの木ですね。
しかし、マツという名の木は無いそうです。
正確にはマツ科の木で、マツ属の仲間をマツと呼んでいます。たとえばクロマツ・アカマツ・ヒメコマツ・ゴヨウマツなどはマツ属の木です。
しかしカラマツ(カラマツ属)、エゾマツ(トウヒ属)、トドマツ(モミ属)、ベイマツ(トガサワラ属)はマツの仲間ではないとされています。
木の名前って難しいし、不思議ですよね。
古来の呼び名があったり、地方で呼び方が違ったり・・・
有名な木に「アスナロ」という木があります。
北海道から九州まで広く分布しています。
私が子供の頃好きで良く読んだ井上靖さん(伊豆がふるさとですね)の本の中に、『あすなろ物語』という本があります。
殆どの方がこの本でアルナロの木の名前の由来を知ったのではないでしょうか。
「明日は桧になろう」 「明日は桧になろう」
毎日そう思って成長している木だそうです。
そんなくだりが出てきます。
しかし、調べてみるとアスナロは清少納言の『枕草子』にも「何の心ありてあすはひのき(明日は桧)とつけむ」その名前が出てくるといいます(カトーさんは知りませんでした)。
そのアスナロ、青森県津軽地方ではヒバ、石川県能登地方ではアテ、と呼ばれ市場でもその名で出回ります。ヒノキ科ですが、アスナロ属の木です。アスナロと呼ぶのが正しいのですが、アスヒ、アテ、ヒバと呼ばれ方は様々です。
外国産の木の場合は、この木の名前は木が取れる産地の言葉で呼ばれています。
ラワン材はフィリピンでは「ラワン」、マレーシアやインドネシアでは「メランチ」と呼ばれています。日本ではラワンでお馴染みですが、世界ではメランチの方が一般的だそうです。
面白いですね。
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