値上げをいかに乗り切るか
最近の値上げラッシュには建設業社にとっては、頭が痛む問題です。
昨年夏の資材価格を比較すると異常なほどの値上がりに驚くばかりです。
鉄筋・鉄骨はおよそ150%の値上がりではないでしょうか。
この2月、3月は10日で10円/kgの値上がりという事態が発生しました。1月からの3ヶ月間で23%の値上がり起きました。
中村建設のある物件では、鉄筋が900tあり10日間で1000万円の差額損が出る異常事態と成っています。ところが、急いで買い付けしようにも、商社がメーカーから買い付けができず、見積も出してもらえない状態が続いています。値交渉するどころか、見積がでた時点で、その業者と契約しないと買い付けすらできない、工事が着工できない事態も起きています。
また、昨年6月20日の建築基準法改正後、確認申請の審査が滞り、また適正判定機関での審査が長引き確認申請が降りるのに5月、6月は当たりまえの時代となっています。
この初期に受注した物件は、確認申請の停滞と建設資材の値上りとが重なり、大きな想定外の出費が自社負担として発生しました。
なかけんハウジングでもこの時期重量鉄骨建物が3棟抱えていて、部長判断で確認申請が降りていない状態で覚悟を決めて鉄骨は発注してしまいました。もし、確認申請で鉄骨メンバーに係る変更が起きれば発注した鋼材の一部がスクラップと成ってしまう大きなリスクを抱えた賭けでした。
今後、「契約から着工までに期間の掛かる物件は、着工時に資材価格の高騰分を精算していただく処理をお願いする」事態に成ってきました。
また、見積もその有効期間を2週間程度と短く設定して提出してことも必要と思われます。
それでも、住宅を建設予定の方々は早期着工が堅実です。
今後建設資材の値下がりは殆ど期待できないと考えた方がいいでしょう。しかもまだ原油価格の高騰、鉄鉱石の高騰、石炭の高騰、中国アジアの建設ラッシュが続く以上この値上げは続きます。下がることは無いでしょう。
「原油や原料の高騰に端を発する建材・設備の値上げは依然として続いている。」
ここに出ていた値上げ資材・メーカーを一部上げてみます。
メーカー 対象製品 値上げ幅
関西オペイント 塗料類 10~15%
大日本塗料 塗料類 10%以上
旭ファイバーグラス 断熱材 20%以上
三和シャッター シャッター類 6%
文化シャッター シャッター類 10~15%
ドア関係 15~20%
松下電工 照明器具 1~7%
電路システム 10~40%
配線器具 6~20%
INAX 浴槽 4~7%
キッチン 2~6%
衛生陶器 3%
サンゲツ 壁紙 15%
東り 壁紙 10%程度
タイルカーペット 20%
などが値上げ例です。
鉄骨の建物はもちろん木造の住宅も家全体で確実に値上げしています。
はっきりは言えませんが、この1年で全体的に5%位は価格が上がっていると思います。
3000万円の家なら150万円、2000万円の家なら100万円くらい余分に出費することになります。
家を建てる予定がある方は早い決断が無駄な出費を抑える事になることは確かです。
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