官庁は免震住宅を建てさせないつもり?
昨年6月20日に建築基準法が変わって、今建築業界は大きな変化と荒波にさらされています。
ご存じの通り建築確認申請が必要以上に時間がかかる仕組みに成ってしまっています。
私達のこのなかけんハウジングのなかでも、鉄骨の住宅で10月15日に確認申請をだした物件が3月一杯かかりました。5ヶ月半です。
鉄骨の事務所ビルでは8月15日に提出して、1月一杯かかりました。はやり5.5ヶ月です。こんな状態です。
そんな中、木造の免震住宅の依頼が入ってきました。なかけんハウジングでは『まもるくん』という商品で、免震住宅を扱っています。
何と言っても、告示による在来工法の免震住宅ではなかけんハウジングが県内第1号を建てているのです。
当時確認申請許可を取るのに大変苦労しました。
そのころ建築基準法が改正され、免震住宅の建築許可が告示で出るということになりました。
しかし、審査する官庁がその能力がまだない状態でした。浜松市に問い合わせしたところ、事実上の審査拒否でした。「出すのは自由だけど、審査できないから、降りないよ」といった内容でした。
そこで、県に問い合わせしたところ、県土木に構造に詳しく県の構造の指針を検討している方がいまして、その方が協力的で「いっしょに検討しましょう」というお話しを頂きました。
事前審査協議を何回か行い、最終的に何とか確認申請を降りしていただきました。当時としては異例に90日かかったのですが、県内で初めて確認を通した喜びを懐かしく思い出します。
その後、2物件目からは簡易的に降りるように成りました。
しかし、今度の建築基準法改正で、木造であっても免震建物は適判対象物件と成ってしまいました。その為、早くても3ヶ月はかかるだろうとの適判員の話になるのですが、この5月から、さらに厳しくなり、免震住宅は県の適判から、東京の建築センターへ送られるように成るそうです。これで最短5ヶ月かかる計算になってしまうそうです。
また、構造建築設計事務所が、どこも手が空かず、住宅の免震基礎の設計と作図に2ヶ月時間を欲しいと言ってきています。(・・;)
しかも、今依頼しても6月まで一杯だそうです。
困った時代になりました。
さらに、さらに困ったことが発生。
免震住宅は、軟弱地盤の上では建てられません。地盤の固い地層をボーリング調査で確認してそこまで杭を打つ必要があります。この地層を工学的基盤といいます。
今回厳しくなった審査で、「この基盤が15度以上の傾斜が無いことを実証しなさい」となりました。
要するに少し離れた場所2ヶ所でボーリング調査し、傾斜角を出さなければいけなく成りました。
これは住宅用地のような70坪程度の敷地では無理と言うことを意味しています。
300坪程度の敷地を持つお宅なら2ヶ所ボーリングしても傾斜角の想定ができるでしょうが、そんな広い敷地を持ったお宅はなかなかありません。結局よそのお宅の敷地でボーリングさせていただける土地を捜さないといけないわけです。もう要求がめちゃくちゃです。無理な場合ばかりですよね。
官庁は、地震対策しなさい。免震は有効と言いながら、実際免震住宅の建築を排除しているわけです。お役所的考え方です。「免震住宅はいいに決まっているが、ルールを作ったらその通りにしなくてはいけない、そらばちょっとおかしいぞと誰もが思う内容でも」といったところでしょうか。
あきれるやら、腹が立つやらのカトーです。
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