建築士カトーのヒトリゴト

防犯の話7

| | コメント(0)

防犯対策7




元泥棒の経験談のその続きです。

元泥棒曰く
 
 

『警備会社のステッカーを張っている家には何度か侵入したが、警備員につかまったことはない。金持ちをアピールしているようなものなので、避ける気持ちより、やる気をそそられた。当時、よく目にしたのは、監視カメラや赤外線センサーだ。どこを監視しているかは見ればわかるし、裏手や2階には設置していないことが多かったので、避けて入ることは容易だった。


 前に
紹介した家にも、実は警備会社のステッカーが張ってあった。そのため、押入から寝室に入るときはセンサーやカメラがないことを確認しながらゆっくり動いた。1階の居間にも金目の品が飾ってあったが、私は現金しか狙わないし、防犯カメラが設置されていたこともあり、そこには近づかなかった。この家に限らず、お宝を飾っている部屋に監視カメラやセンサーを取り付けている家が昔は多かった。


 私はセンサーに触れて警報を鳴らしてしまったときは、盗みをやめて一目散に逃げ出すことにしている。だが、警報が鳴っても気にせず作業を続ける泥棒もなかにはいた。塀の中で知り合った、外国人窃盗団のボスの
Kがそのタイプだった。ホームセキュリティーが入っている家ばかりを狙い、機器はすべて壊してから逃げるなど、いろいろな手口をこのとき聞いた。

 

Kは「ホームセキュリティーを入れている家のほうが、入れていない家より安心して犯行できる」と話していた。警備会社に通報が届いてから警備員が駆けつけてくるまでの所要時間を、ほぼ予測できるからだ。事前の下調べでわざと警報を鳴らし、何分で到着するかを確かめていた。


 
Kたちは4人グループでいつも行動していた。1人は見張りとして車で待機し、3人が侵入する。センサーや防犯カメラにひっかかりにくくするため腰をかがめてゆっくり動き、機器を見つけたら壊すか持ち去る。電話線は切断する。ゴミ箱から機器を発見したこともあったという。

 「機器を壊したら、警備会社が異常に気づいてすぐにやって来るのではないか」とKに尋ねたことがある。「到着するまでにどんなに早くても5分以上はかかるので、来る前に立ち去る」と教えてくれた。

 

Kは金目のものは何でも盗んでいった。建物の壁をバールで壊して100kgぐらいある巨大な金庫を運び出したこともあるという。ひととおり探して金目のものが見当たらないときは、畳の下に現金が隠れている場合があることも、Kから聞いて初めて知った。


 
Kは手口こそ乱暴だったが、絶対に人は傷つけなかった。刑がずっと重くなるからだ。人を容易に殺傷する最近の外国人窃盗団とは、そこが大きく違っていた。


 犯行現場の近隣住民からの通報で、
Kたちはつかまった。犯行に使っていた車が狭い路地からなかなか抜け出せず、パトカーに包囲されてしまったそうだ。Kはその前に2回以上つかまっているので、恐らく、母国に強制送還されてしまっただろう。

確かに防犯カメラは適切に設置しないと効果が半減してしまいますね。
「設置しています」とあからさまにするのも防犯機能があるかもしれないが、プロには逆にカメラを避ければOKとなってしまうらしい。どこを写しているか分からない広角式の円球タイプがいいのでしょうか。難しいですね。
 

コメントする

カレンダー

<   2008年5月   >
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

アーカイブ