建築士カトーのヒトリゴト

JIS違反生コン

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六会(むつあい)コンクリートJIS不適合生コンを出荷

 


 
神奈川県藤沢市の生コン会社、六会(むつあい)コンクリートが日本工業規格(JIS)に適合しない生コンを出荷していた問題が発覚。  

建築基準法第37条で、柱や梁などの構造上主要名部分と呼ばれる部分に用いるコンクリートは日本工業規格(JIS)に適合するか、大臣認定を受けたものと定められています。
ですが、今回の発覚した生コンクリートには使用が認められていない融解スラグ骨材を使用していました。
 

溶融スラグを使用した理由について、担当部長は「神奈川県産の山砂の吸水率が増大するなど、品質低下で頭を悩ませていた時期と重なった。
溶融スラグの吸水率は0.5%と小さく、昨年5月に実施した試験練りの結果も良好だったので、コンクリートの改善に役立つと考えた」「環境保全の一助になる。また、輸送費以外は無料でスラグの提供を受けられるため、多少のコストダウンに貢献できると考えた」などと説明しました。

製造コストはコンクリート1m3当たり100円程度安く、全体で1000万円強のコストダウンの効果があったといいます。 

六会コンクリートの担当部長は、元請けの建設会社が立ち会う試験練りの際に、溶融スラグを混入しなかったことも認めました。

 
現場では、生コンクリート強度試験として、テストピースを採取し、破壊試験で強度確認をしますが、その際には融解スラグ入り生コンを避けていたといいます。
JIS規格違反と知らなかったと言う割には、周到なやり方で悪質と言えます。
 

国土交通省は7月8日六会コンクリートが出荷した生コンの使用で建築基準法違反があったとしてJR大船駅前(横浜市栄区と鎌倉市の境)に建設中のマンション「 (仮称)大船駅前計画」(地上6階建て、RC造)と、藤沢市の「いすゞ自動車藤沢工場」で新築工事中の事務所棟(地上9階建て、S造)の2物件を公表しました。
 


07
11月から083月までに納入した工場1物件、マンション7物件で、コンクリート内部の膨張圧で表面部分がはがれる「ポップアウト現象」が発生していることを明らかにしました。


 
 JR大船駅前のマンションは、建築主が三井不動産レジデンシャル、設計・施工が三井住友建設。
横浜市建築企画課によると、73日に国交省建築指導課から調査依頼があり、施工者の三井住友建設に生コンの配合計画書などの書類の提出を求めて調査を進めた結果、溶融スラグ骨材が使われていたことが判明。建築基準法違反があったと判断し、77日に国交省に報告しました。

 
ポップアウト現象は、以下の住友セメントのレポートが分かりやすいです。
http://www.soc.co.jp/cement/gijutsu/pdf/repo02.pdf 
武蔵工業大学の学生論文らしきものにこんなものを見つけました。
http://c-pc8.civil.musashi-tech.ac.jp/RC/ciber/act/pdf/H14%20shuuronn/kasuya.pdf

本当に悪意がなかったのか、信じられません。
コンプライアンスの時代をどう考えているのでしょうか。

幸い、ここ遠州地区は天竜川という安定した砂と骨材の取れる、全国的に恵まれた地区なので、ここではこんな事は起きないとは思いますが、本当に信じられないことです。

  

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