建築士カトーのヒトリゴト

構造・設備一級建築士合格者発表

平成20年9月16日

構造・設備一級建築士合格者発表

 

 

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建築普及教育センターでは9月11日、構造一級建築士、設備一級建築士の見なし講習の終了判定結果を発表しました。(見なし講習というのは法律が施行前のため正式な試験とはなり得なく、今のところ見なし講習と呼び、試験を実施しています。この講習での終了判定合格者は法律施工後、正式な資格取得者になります。)

 

カトーさんが先日受けた、管理建築士資格講習も見なし講習でした。

姉歯元建築士による耐震強度偽装問題により、昨年6月改正建築基準法が施行され、建築業界は様々なところに影響を及ぼしています。

 

しかし、今年11月、今までもこのbolgで何度も話してきましたが建築士業界に重大な影響を及ぼしそうな法改正が迫っています。

 

それが、平成18年臨時国会で成立した「建築士法等の一部を改正する法律」改正建築士法です。

 

今までは一級建築士の責任で提出できた建物が、一定規模以上になると新設される構造一級建築士、設備一級建築士が、設計か法的適合を確認しなければいけなくなります。

 

その、試験結果がこの9月11日発表されました。

建築技術教育普及センターの発表では、設備一級建築士は全国で5172人受験し、合格者が2319人でした。静岡県内では34人しか合格者が出ませんでした。

 

なんと鳥取県1人、高知県・岩手県2人、愛媛県・大分県・秋田県3人、徳島県・長崎県4人、宮崎県・青森県5人、鹿児島県6人、和歌山県・山梨県7人、福井県・福島県・山形県8人という合格者の少ない県が続出しています。

 

これで、設計業務が成り立つのでしょうか。

 

構造設計者は元々建築士の勉強をしてきた人が、構造を専門職にする方が殆どですから、それほど問題にはならなかったのですが、設備設計者は大学等で専門に建築を勉強してきた人が少ないのです。

 

電気設計は、電気科を卒業してきたい方がなさっている人が多いでしょう。地元で設備図面を書かれている人は、設備関係会社出身の人が多いと思います。

 

すなわち、電気・機械などの設備設計士の中には一級建築士の資格を持つ人は非常に少なく、廃業に追い込まれる事務所が相次いでいると聞きます。

 

ここで設備一級建築士受験資格を整理してみます。

 

まず、一級建築士資格を持ちその後5年の設備設計の実務がある方となります。

 

しかし、この一級建築士を待たない人が多いので、この先に一級建築士を取得します。

 

ところが、この一級建築士に受験資格学科を卒業していない、方がそもそも多いのでその方々は、4年間の専門教育+実務経験期間を持たなければなりません

全国にいる33,000人の建築設備士登録されている人は4年の実務経験の後、一級建築士が受験できます。

 

いずれにしても、今設備設計事務所を開いていても、専門の教育を受けていない設備設計者は、一級設備設計士取得には最短でも9年かかることになり、日本で最も難しい資格なりました。

 

いくら頭のいい人でも、無資格者が資格取得するには9年かかるということです。このような資格は全国で外には無いようです。

 

また、3階建て、1000㎡以上の共同住宅の設計・工事管理は一括委託(丸投げ)が禁止されました。ブローカー的な建設会社は一掃されることになります。

 

資格の無い設計士は、有資格者に法的適合確認を依頼すれば、大規模案件にも手は出せますが、今後無資格者の設計を施主が良しとするとも思えません。

 

建築不況がさらに深みに入り込んでいくような状況のように、今の法律はなっているように思うのは私だけでしょうか。

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