平成20年9月20日
坪単価に誤解していませんか
顧客の皆さんは複数の住宅会社の建築コストを比較する際に「坪単価」はとっても便利な目安になります。
しかし、大変誤解を招く基準でもあり、場合によってはローコストを売りにしている住宅会社さんでは、その誤解を逆手に取って、広告などで坪単価の安さをウリにている住宅会社も多いことご存じでしょうか。
一般的な顧客の皆様にはちょっとした誤解があります。
皆様の誤解
① 住宅会社によって算定基準が異なることを知らない。
② 本体以外の付帯工事などを含めた単価と考えてしまう。
③ 坪単価はコストを比較する業界共通の「物差し」と考えてしまう。
④ 坪単価は平面形状で異なることを知らない。
① について
広告などで、坪単価の安いローコスト住宅会社さんのびっくする価格を見かけます。しかし、そこには算定基準が各社異なっていることをご存じでしょうか。
床面積は、各社同じ基準で算定されていません。
一般的床面積は建築基準法の延べ床面積ですが、それに対し、各社広告を良く見ると、施工床面積とかかれています。この施工床面積が各社毎に勝手に設定されています。
例えば、吹き抜け面積は延べ床面積には入りません。2階の床も1階の天井もありませんが、壁は1階も2階もありますから、延べ床面積で計算すると住宅会社側には金額的に不利になります。そこでローコスト住宅会社さんは、よくこの吹き抜けを施工面積に入れています。*マホームさんでは4㎡以上は面積に入れていると聞きます。
さらにバルコニーも法的には床面積に入りません。しかしコストはかかります。そこで、これも施工床面積に入れている会社が多い、しかも*マホームさんでは、バルコニーの床を2階の面積に、さらに1階から飛び出した部分を(軒になる部分)1階の面積に入れていると聞きます。驚きます。
同じ建物でも、住宅会社によって坪単価を設定している床面面積が違うのです。
ご存じでしたでしょうか。
さらに、「グリッド」といって、柱の間隔を日本古来の尺間(1間が1820mm)とメーターモジュール(1間が2000mm)のものが日本では入り乱れています。
旧来の尺間で家を造る一般的場合は廊下の柱間幅は910mmになりますが、メータモジュールでは1000mmになります。
メーラーモジュールでは全体に広めの空間になります。がここが落とし穴です。両者を比べると、同じ法床面積の場合、前者は各室が少しずつ狭いのに反して、多くの部屋が作れます。しかし、柱や壁は多くなります。
後者は廊下や部屋を大きくして、柱や壁の量が減り坪単価は安くなります。ローコスト住宅希望者は低年齢層に多いのですが、その方々は部屋を小さくても、多くの希望の部屋がほしいと訴える方が多いことに反しています。
② について考えます。坪単価を本体以外の付帯工事などを含めた単価と考えてしまう、何でも含んでいると思いこんでしまう問題があります。
私の実際の事例ですが、あるお客様に「あちらの会社ほうが坪単価が安いからあなた方はもういい」と言われたのですが、なんとそちらの会社、『2階は仕上げ無し、柱梁現し』の基準坪単価の査定だった。とか。『基礎は家でないので含んでいない』『平屋が基本ですから階段は別途です』『基本間取りの変更は増にはしますが、差額の減はしません。すなわちこちら基準のキッチンを変更する場合、減はなくそのキッチンの追加はまるまる頂きます』など多くのおかしな話、驚く様な話をお客様から聞いています。
③ について、もうお解りですね、坪単価は建物を評価する業界の指標にはなっていないのです。269,000円/坪で売っている住宅会社さんでも450,000円/坪以上には必ずなると言われています。
これを法床面積に換算すればもっと違う金額になると思われます。
④ さらに坪単価は形状で大きくことなります。
一般的に床面積が小さければ小さいほど高くなります。しかし形状の違いは大きく反映されます。サイコロ4つ思い浮かべてください。ひとかたまりに4つ並べると外周面は8面です。横に4つ並べると10面になります。これが家ならば大きな金額の差が出ます。
以上の様に、坪単価単には大きな誤解があります。
しかも、そこを逆手に取って坪単価を安く見せるごまかしとも言える算定方法をとっている会社がローコスト住宅に多いのがとっても悲しい現実です。
是非、坪単価で家を比べることをしないように、ましてや購入の決定条件にしないようにお願いします。
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