『第2玄関』
私、カトーが設計するとき、こだわっている提案をご紹介しています。
今回は『第2玄関』について
第2玄関とは皆様以外に聞き慣れない室名ですね。
外部から侵入する為に二つの玄関を持つという意味ではありません。
玄関に入ると、そこに脇に引き戸が有り、そちらに土間が続きます。家人はそちらに廻り、そこで下足して上がります。これの部屋が第2玄関です。
玄関は家の顔です。玄関を見てその家の評価をされてしまう、大事なところであり、ある面恐ろしいところでもあります。
その顔である、玄関に品を持たせるには、
床にはすっきり何もないのに限ります。
「えっ?何もない!!」驚くくらいの印象を与えるのです。
来客用玄関(第1玄関)は、お客様をお迎えするために、ドアを開けるときにはくスリッパだけがあるだけです。下足箱も第2玄関にありますから、来客用玄関はまるですっきり爽やかです。
家を建て替える前のお客様のお宅にお伺いすると、小さめの玄関に、子供達の靴がびっしり並んでいることが良くあります。しかも、お客様がその乱雑に広がった靴をつま先で踏みながら玄関ドアの施錠を解いて、ドアを開けてくださる事が時々あります。
その後、腰を下ろしてあわてて靴を揃えながら、みっともない風景に恥ずかしそうに、「どもういらっしゃい」などと挨拶の言葉を交わす。どこかで経験ありませんか?
品の良い家には誰でもあこがれます。
しかし、毎日の生活の中で、「靴はちゃんと下足箱に」、「靴は脱いだら揃えて向きを変えること」とか、子供達にしつけとして教えるのですが、親だって守れないときがあります。ただルールだけでは長続きしない習慣だってあるのです。
そこで家の間取りが習慣を手助けするのです。
チョットした提案が、「お客様の品を保つこと」を助けるのです。
来客があり、玄関ドアを開けなければいけないとき、その時には第2玄関の引き戸が開いていれば閉めるだけです。
もう大変なことになっている第2玄関は見えません。小さいお子さんを持つお母さんに大人気のアイテムです。
この提案は半分のお客様が採用する人気のアイデアです。
こだわりの設計とは、生活の習慣を理解し、お客様の気がつかない部分をご指摘し、建った後に大変住みやすい家になるよう、設計段階で打合せすることを言います。
決して設計者の満足のために顧客を犠牲にするようなことはしてはいけない。
かといって、お客様の良いなりの希望をかなえる設計にしてはいけない。
お客様と共同で、プロジェクトを組んで設計を進めると言った、大げさの言い方がまさにあっていると思っています。
コメントする