『明日から設計契約前に重要事項説明が義務付け』
11月28日に施行される建築士法では、大きく制度が変わります。
工務店の業務に大きく影響を及ぼすと思われます。
今回の改正で義務付けられた『重要事項説明』は「設計・工事監理契約を締結する前に締結するかどうかを建築主が判断するためにあらかじめその内容を、設計した建築事務所の管理建築士またはそこに在籍する建築士によって説明する。」というものです。
設計事務所登録をしていない工務店とは、そもそも設計・工事監理の契約を結ぶことができないばかりか、間取り計画などの設計業務自体も違法行為となります。
事務所登録した設計事務所の建築士の重要事項説明を受けた後、工務店とは別途設計契約しなければなりません。
設計事務所登録をしていない工務店は、自社設計はできません。あくまで設計事務所の設計・工事監理の下に工事を請けるしかありません。
設計事務所登録をしていない工務店さんが、お客様との間で、間取りの変更、換気システムの変更、内装制限のある場所での内装仕様の変更など打合せすれば設計工事監理になりますので、違法となります。今までも違法には違いありませんでしたが、今後は大きな罰則を厳格に受けることになります。
今まで設計事務所登録をしていない工務店がお客様と間取りを打合せしていたと言うことは、構造の設計検討、排煙などの設備設計検討を行っていたと言えます。明らかに設計行為と同等と私は考えます。明らかに設計行為と同等とみなされれば違法行為となります。
設計事務所さんが姿を見せないで工事が進んでいる住宅が、実は沢山あるようです。これらでは、工務店が他社の設計事務所の『名義貸し』を常習的に行っていたと言えます。
このブログお読みの素人さんのお客様に対し、特に認識していただきたいと思います。というのは、 「工務店、大工さんと家づくりの打合せを行う場合、設計事務所の登録を行っている工務店かどうかを確認してください。」ということです。
登録できていない工務店、大工さんとの家の設計打合せは違法になることが大きいと思います。
設計事務所さんと打合せを行い、図面が完成した後に工務店さんに仕事のお話しを持って行くことが必須となります。
是非注意してください。
今はコンプライアンスの認識が大変強い時代です。
設計事務所登録をしていない工務店には大きな試練な時代に入ってきたと言えます。
しかも、この11月28日からは、設計事務所は簡単に開設できません。
開設条件として、設計事務所等で、設計業務の経験が3年以上、及び建築士資格を取得して3年以上の経験を証明しなければ管理建築士になれません。
そして管理建築士が常駐しなければ設計事務所を開設できません。
とにもかくにも、明日11月28日から新建築士法が施行されます。
主な施行される内容は以下の通りです。
◎ 建築士事務所に所属する建築士は、3年毎に国土交通大臣登録の機関が行う「建築士指定講習」の受講が必要となります。
◎ 建築士試験の受験資格が見直され、厳しくなります。
◎ 一級建築士の試験内容が見直され、厳しく成ります。
◎ 一定以上の建築物では高度な専門能力を有する建築士による構造設計・設備設計の関与が義務付けられます。
◎ 管理建築士なるためには3年以上の設計業務経験者が管理建築士講習の受講が必要です。
◎ 設計・工事監理の契約の締結には建築士が建築主に対し重要事項について書面を交付して説明を行う必要があります。
◎ 建築主が受託しても、建築事務所の開設者以外の者への設計・工事監理の再委託が禁止されます。
◎ 従来国土交通大臣が一級建築士の登録事務及び閲覧事務が(社)日本建築士会連合会が行います。
◎ 一級建築士免許証を携帯可能なものに変更になります。
◎ 建築士事務所協会、建築士事務所協会連合会が法律に位置づけられます。
◎ 設計・工事監理の業務報酬が見直されます。
以上が改正のポイントです。
知らないと知らずに違法行為をすることにも成りかねません。
私も勉強の為に、講習へ行ってばかりです。気をつけないといけませんね。
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