『合掌造の結(ゆい)』
合掌造の屋根にまつわる『結』 (ゆいと読みます)についてお話しします。
当時の村の人々は養蚕から得る現金収入はあるものの、おおかたは自給自足による生活をしていました。家を建てるにも、それが身分相応のものであれあば、あまりお金を使わないですむ社会でした。
それを可能にしたのが『結』です。
家を建てるとき、人々はお互いに労力を出し合い、材木や縄など建築材料をもりより、石場から柱建て、屋根葺き作業をはじめ普請祝いなどの建築儀式に参加して、物心両面にわたって協力しあいました。
これらのお互いに提供しあう労力や品々は金銭取引ではありません。
労力を出した家は、いつか家を建て、また屋根を葺き替えをしますので、その時にまた労力で返していただくのです。
『結』は金銭の貸し借りと違って利息が付かない長期にわたる貸借関係というところに特徴があります。
この『結』もいまでは次第に成り立たなくなってきているそうです。
しかし、ここ最近根屋根の茅の葺きあけをした「長瀬家」では、昔ながらの『結』で行うことに試みました。
地元では集まりにくい人手を東京のボランティアに頼んだりして何とか行うことができたそうです。
この「長瀬家」の茅の葺き替え工事は、2年かけて行いました。最初の年に片方側、次の年に反対側と言った形です。その最初の年の葺きあけの様子を、10ヶ月におよび追っかけ取材したNHKのDVDを行きのバスの中で見ました。
その中での話では、結局最初の年の吹き替え当日(1日で吹き上げてしまいます)。ボランティア100名、地元住民、中学生が400人集まったそうです。全て1日無償の応援できてくれた人々だそうです。
助け合いに形は時代と共に変わって行くとしても、この合掌造民家の保存のために、これからも『結』の精神は受け継がれていことが期待されています。
参考写真です。「長瀬家」とは違います。
こちらは「長瀬家」です。
「長瀬家」の前で、うちの(なかけんハウジングの)娘達とカトーさんです。
「なかけんハウジング会」の勉強は今回も成功に終わりました。
『結』の精神に感動した「なかけんハウジング会」のメンバーからは、なかけんハウジングを中心にそこに集まる協力業者で作る協力会をこらから「なかけんハウジング会」という名前から、 『なかけんハウジング結の会」という名前に変えようとの提案がなされました。
「発注の元と先という関係ではなく、相互の協力で『結』の精神で良い建物を造ろう」という皆さんの意気込みです。
ありがたいお話しで感動しました。
みなさんありがとうございます。
カトーさんは家づくりを、お金儲けのためにはしたくないと思っています。常に部員にもそう言っています。
お客様のために家づくりを行い、感謝し、喜んで頂いて、その代償に費用を頂くのが本当と思っています。
お客様と一緒に行う家づくりは、まさに『結』の精神のなかから良い仕事が出来上がると思います。、どこまでも学ぶべき精神だと感じました。
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