『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
アカデミー賞今年最多の13部門(作品賞・監督賞・主演男優賞・助演女優賞・脚色賞・撮影賞・編集賞・美術賞・衣装デザイン賞・メイクアップ賞・視覚効果賞・録音賞・作曲賞)ノミネートの名作の仲間入り作品です。
体だけが80歳で生まれ、そこから徐々に若返っていく、数奇な人生を歩んでいくベンジャミンの姿を描いた映画です。
訴えるものが分からない焦点のぼけた映画という評する人が掲示板にいましたが、そうでしょうか?
「そのように感じてしまう、そんな風にしか感じない、悲しい感性を持った人」にはなりたくありません。
こころはいつも優しくいたい。
どんな小さな事にも感動したい。
どこまでも正直でいたい。
そして、何よりもいい人と呼ばれたい。
ピュアな気持ちが持てなければ、本当の家は設計できないと信じてます。
この映画は後半にクライマックスが無く、衝撃的な最終シーンを置いていません。
一生を描いた中に伝わってくるものが沢山あります。
この映画では『生と死』を描いています。
人生ははかなくも老いていく、過ぎ去っていく、別れが次々と訪れてくる、・・・
老いがあり・死があります。
今まさにここに生が当たり前にあっても、必ず死は訪れます。
死はいくら避けようとも避けられません。
映画の中で施設の老人達が靜に死んでいく、死を間際にしてうろたえる事も多いでしょうがみなさん靜に死んでいく。
戦死する船長が「お迎えが来たら逝くしかない」という言葉をのこしていく。
私にも若い時がありました。
生徒会活動に全てを捧げた中学時代
受験勉強に時間を費やした高校生時代
青春を謳歌した大学生時代
中村建設に入社し、若くして結婚して食べだけで精一杯で貯金もできなかった20代の貧乏時代
34歳で40億円の浜松出雲殿を実質まとめ上げたバイタリティー溢れた青年時代
これらの時代を思い出すと、如何に老いが進み、いかに人生の後半に向かっているかを感じます。
人生も後半、元気に動けるのも社会人人生のあと1/4しかない、こんな人生の最後になっても、今やっていることは・・・
でも靜に時は過ぎていきます。
人生を逆行するベンジャミン・バトンを通じて、人生に身を任せ、靜に生きていくしかない私達、如何にその時を大事に過ごさなければいかないか、何かを穏やかに感じます。
死も人生の一部といっているようです。
この映画を観て心温まる思いになってください。
カトーさんお薦め☆☆☆☆☆です。
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