『ヤング係数・剛性・靭性』
今までいろいろなシリーズで家の話をしてきています。しかも、それぞれ途中ですよね。
しかし、ここで今度は家の構造の話を少しそのシリーズに加えいこうと思います。
「家造りで一番大切なこと」とは、カトーさんの哲学では『住・環・構』だと思っています。
"住"とは住むということ、育つということ、暮らすということ
"環"とはもちろんエコという環境のことであり、住環境という光・風・のことです。
"構"とはそれこそもちろん構造のことです。
なかなかこのバランスを考えている設計士・ハウスメーカー・工務店の家はありません。
この話は長くなるし、きちっとお話ししておきたいので、機会を作ってしっかりご説明します。
さてこの"構"そう"構造"をシリーズで少しだけ話していこうと思います。前回7月16日にその第1回として、構法の説明をしました。
今日は第2回として、ヤング係数・剛性・靭性の話です。大切な基礎知識です。
ヤング係数とは
部材は荷重をかけると変形します。例えば、梁の中心に荷重が載ると梁は曲げられてたわみます。
この変形量は、荷重の大きさ、部材のスパン、断面形状、そして材質が影響します。このうち材質に該当するのがヤング係数です。
ヤング係数が大きい物はたわみ難く、小さいものはたわみ安いことになります。
このヤング係数は木の種類によってそれぞれ違います。また、木の乾燥率によっても違います。木の乾燥を表すのは含水率という言葉があります。一般的に含水率が低い方がヤング係数は高くなり、よって強度が上がるといえます。
剛性とは
剛性とは、強度と変形の関係を表す用語で、 「剛性が高い」「剛性が低い」などと表現します。
例えば、2つの部材を同じ力で押したとき、変形量が小さい方を剛性が高いと、変形量が小さい方を剛性が低いと言います。
言い換えると、剛性が高い部材の方が、変形が少ない、変形しにくいということです。
靭性とは
靭性とは剛性と逆に構造体の変形能力を表す用語です。
「靭性に富む」「靭性の乏しい」などと表現します。
靭性に富む部材は破壊するまでに大きく変形する粘り強い部材といえます。
ゴムなどは、曲げに対して粘り強く対応し、はかなか破壊しませんよね、極端な例ですが。
同じ木でも材種によって靭性や剛性は、かなり違います。
構造体でも言えます。柱と柱の間が空間のスパンは、横方面に対する強度が弱い。しかし、ゆれてもくねくねして靭性に富んでいます。水平の変形量が大きいですね。
そこでここに筋交いを入れると、剛性が増します。
垂直の面の変形量が小さくなり、家は揺れが少なくなるといえます。
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