建築士カトーのヒトリゴト

家の構造の話4

『含水率とクリープ』

 

 

含水率とは、木材のそのものの重さに対する水分の比率を言います。

 

木材は、伐採直後の原木丸太から製材したばかりの生材では樹液として大量の水分を含んでいます。この状態の木材のをグリーン材と呼んでいます。

 

これとは反対に人工的に乾燥させた材木のことをKD材といいます。

 

また、材木を野天に積み置きし、自然乾燥させたものをKD材に対抗してAD材と呼んでいます。

 

 

ヒノキでは、製材直後120mm角の3mのもので、重量は25~30kgあります。しかしそのうち木質そのものの重さは17kgといわれています。

この木材が34kgならば含水率100%です。

25.5kgならば含水率50%というわけです。

 

 

クリープ変形とは、木材を長期間一定の荷重が作用したとき、たわみが徐々に増加する現象を言います。

 

木材の場合、施工時の含水率と仕様箇所における温湿度がクリープに影響を与えます。

 

クリープの実験そ行ってみると、KD材木とグリーン材木に一定の荷重を加えて、並べて長期間の放置しておくと、KD材は当初のたわみ1に対して2から2.5倍のたわみが発生するに対し、グリーン材では3.5から4倍のたわみを観測すると専門書には出ています。

 

クリープ現象が起きれば、梁はたわみ、中心で垂れてきます。2階の部屋では床が下がったり、引き戸が動きにくく成ったりする原因に成ります。

 

ですから木材を使用するときは十分乾燥した、KD材を使うことがいいのです。

他にも、以下のメリットがあります。

 

・腐朽を防ぐ

・白蟻の被害を少なくできる

・反り、割れが少なくなります。

 

含水率の低い材料を使うことが大切ですね。

 

なかけんハウジングではもちろんKD材を使用しています。

少し前までは材木の加工段階で、「ホゾ穴を開けて、翌日みると水が溜まっていた」なんて話しは、良く聞いたものです。

 (KD材よりグリーン材が安いので大工さんは使いたがるのです)

 

昔の家は建て前をして、半年放置したそうです。

この間に木材を十分乾燥し、反りやたわみを起こさせ、それを是正してその後仕上げに入れば、仕上がってから、たわみや反りで、仕上げに悪い影響を出さずに済む、という昔の知恵ですね。

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