『壁倍率1とは何か』
皆さん、 『壁倍率』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
建築設計では基本中の基本的な用語です。
壁倍率とは、耐力壁(筋交いの入った壁など)に作用する水平方向に作用する抵抗力(水平耐力のことです)を表す指標で、数値が大きいほど強い壁と言えます。
その数値は1倍、2倍というように、何倍という表現で示します。
では、基準となる壁倍率1倍はどのような壁のことをいうのでしょうか。
壁倍率1倍は、長さ1mの壁に1.96kN(200kg)の水平力が作用したとき、層間変形角(建物が水平力で変形したとき、水平変形量を建物の階高で割ったもの水平変形角量/階高を言います)1/120に成る壁を言います。
言い換えれば、層間変形角1/120の時、1.96kN/mの水平力を持つ耐力壁が壁倍率1倍の壁となります。
建築基準法では、木造の接合方法を勘案して、壁倍率は5.0倍を上限にしています。
1箇所の壁をいくら頑丈にしても、5.0倍までした勘定に入れないわけです。
当然、家の設計では耐力壁をあちらこちらに設置することになり、そのバランスが今度は問題になってくるわけです。
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