『既存部分の増築・改修の一部緩和の告示施行』
国土交通省は、現行の建築基準法に適合しない既存不適格建築物(現在の建築基準法に合わない建物はこのように呼ばれます。建築基準法は毎年のように改正されますので、新築の建物も、数年で自然と既存不適格建築物となります。平成12年に大きく建築基準法が改正されましたので、それ以前に建った建物は、間違いなく既存不適格建築物だと思います。)に増築や改修を行う場合の是正義務の一部を緩和する告示を9月1日付けで施行しました。
木造の住宅でも、改正前の告示では確認申請に、
・増築部分を構造上一体の場合、全体で構造計算を必要
・増築部分を構造上分離した場合(エキスパンションで分離)、増築部分は構造計算を必要、既存部分は耐震診断基準に適合
と成っていました。
建物の増築が金銭的なものを加味したりしていくと事実上不可能に近いと判断されていました。実際増築のお話しはいくつもありましたが、みな中止に成ってしまいました。
そのうち、「今は増築できないんです」とお答えするようにもなっていました。
詳しくお話し知しすると難しいので避けますが
増築部分と既存分が構造上一体の場合
1.増築分は現行法に適合させる
2.既存部分は接合金物や基礎の配筋などは不適合のままでよい
3.建物全体の耐力壁、柱、土台は適量計算などによって現行規定に適合させなければならない。
増築部分と既存部分が構造的に分離する場合
1.増築部分は現行新築住宅とほぼ同じ取扱
2. 既存部分を以下の3つにから選択
1.耐力壁、柱、土台を現行の仕様に適合させる
2.既存部分の耐震性能を1981年6月時点の新耐震基準に適合させる
3.耐震改修促進法に基づく耐震診断基準に適合させる。
以上となりました。
なお、一体の場合も分離の場合も、建築確認の際に4号特例の対象とならず、構造機関の審査を受けることになります。
やっぱり、まだ大変な作業には違いありませんね。
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