『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ』
ご存じ太宰治原作の映画化作品です。
太宰はご存じ昭和の文豪です。本をお読みになった方も多いと思います。作風は破滅的な内容が多く、私は大学生の二十歳の時「人間失格」を呼んで、しばらく精神的におかしくなったことを良く覚えています。あんなに衝撃的で、人間不信になった小説はありません。当時の記憶が今でも強い。
そんな太宰の作品です。「ヴィヨンの妻」は読んでいません。しかし、あの破滅的な小説の印象は記憶に強く、この映画はやっぱりそのものでした。
どのように感想を述べて良いのか・・・・・・
監督は残念ながらよく知らない、根岸吉太郎という方です。
しかし、この映画でモントリオール映画祭、最優秀監督賞を受賞しています。
出演:松たか子、浅野忠信、室井滋、伊武雅刀、広末涼子、妻夫木聡、堤真一
そうそうたるメンバーです。
今回、特に感想として述べたいのが、この方々が実に良い演技をしています。
松たか子さん、浅野忠信さんは私の中では確実にアカデミー賞候補の演技です。また、助演として室井滋さんも上がるのではないかと思います。
浅野さんのだるそうな演技、酔って少しろれつが回らないしゃべりにはすばらしいものがありました。
映画としての完成度は高い映画ではありますが、興行的にはどうでしょうか。映画ファン向けで一般人的映画では無いのかもしれません。
この映画をみて、「ウ~ン」とうなって、観終わってとらえどころのない感覚を感じてはいかがでしょうか。
追記:舞台は昭和21年の東京、今とは違う生活感が当然流れています。しかし、この感覚が私は非常に心地良いのです。明らかに私はこの時代に育つべきだと感じました。今の時代は少し私の感性とは違う感じがします。
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