建築士カトーのヒトリゴト

ウッドデッキを知る2

『木を選ぶ』

 

 

風雨にさらされ、太陽光を毎日浴びるウッドデッキ、その材質は当然室内で使われる木とは違います。

ひとつには、塩ビ系などの非木材系を選ぶ手があります。

各エクステリアメーカーから各種でていますが、これが結構高いのです。

 

では、木材でウッドデッキを施工する場合はどんな材種があるのでしょうか。

無垢材は、色具合や肌触り、耐久性、はたまたお値段なのか、優先順位を付けて選ぶといいでしょう。

 

では、樹種は何?

 

当然ウッドデッキは水に強く、腐りにくい樹種を選びます。

 

国産では

ヒバ、ケヤキ、ヒノキ、クリなどが、腐りに強いと言われています。

お値段からスギ、カラマツを選ぶこともあります。

 

ヒバは

アスナロとも言われる木で、 「明日はヒノキになろう、明日はヒノキになろう、と言って結局はヒノキに成れない木」という逸話をもとに書かれた井上靖の小説「あすなろ物語」を子供の頃読み、私にはとっても身近に感じる木です。

防蟻・防虫効果が高く、腐りにも強い木で、土台によく使われる木です。しかし、「値段が高い」、「油分が強く塗料がのりにくい」などの欠点もあります。

 

ヒノキは

ここ天竜でも多く分布していて、よく使われる木です。

美しい色合い、ツヤがあり、抗菌効果もあります。耐久性にも優れ良くデッキ材に使われます。

 

クリは

昔から親しまれた木ですが、成長に時間がかかり、天然木が多いため流通しにくく、値段がいかにも高価です。昔は鉄道の枕木として使われていました。

 

スギは

全国どこにでも生育し、値段の安価です。皆さん「スギ?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、案外昔からデッキ材として使われています。耐水性はヒノキ・ヒバほどではありませんが、木の中でも中程度はあるのです。昔から木造船の造船材として使われているくらい耐久性は高い木です。

柔らかくて、肌触りもいいのですが、反りが大きく使い方を間違えると、ささくれが足に刺さったりもすることもありますね。

 

外国産では

イペ、ウエスタンレッドシーダー、セラガンバツー、ベイマツ、ウリン、ジャラなどがあります。

 

イペは

メキシコや南米産の木です。最近人気の樹種です。防虫効果も期待できます。公共施設の港湾などのデッキもこれが使われます。耐久性・耐水性に優れ、非常に硬質で摩耗に強い。施工する大工さん泣かせの木でもあります。

 

セラガンバツーは

フィリピンやインドネシア産の木です。耐久性と強度に優れ、デッキ材や外装材、土台にも使われる木です。この木もウッドデッキにはよく使われる木です。ささくれが出やすいので表面リブ加工してあるものを使うといいですね。

 

ウエスタンレッドシーダーは

北米産の木で、ベイスギとも呼ばれていますが、実はヒノキ科の木です。ヒノキ同様ヒノキチオールを含むため、抗菌性が高い木です。腐りにくく、軽量で作業もし易い木です。

 

マニルカラは

産地はブラジルなどです。イペやウリンに勝とも劣らない耐久性・防腐性・耐蟻性があり、エクステリア材として人気の木です。

 

ここで注意

木材は水にさらされると灰汁が(アク)がでます。どんな木でも起こる現象ですが、耐久性には影響ありません。しかし、灰汁の濃度は樹種によって異なり、はっきり色の付いた灰汁が出る木もあります。例えば国産材ではクリ、外国産ではウリンがそうです。外壁や2階デッキに使うときは灰汁が垂れ外壁に付着して汚すことがあるので要注意です。

 

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