建築士カトーのヒトリゴト

地盤についてその1

『不同沈下』

 

 

今日から少しずつ、地盤沈下の知識を紹介します。

 

まずは「不同沈下」

家を支える地盤の特定の部分だけが、建物の重さで沈んでしまって、建物が傾いてしまう現象をいいます。

 

こうなると、壁の開口部からヒビが入ったり、扉や窓が閉まりにくくなったりします。このように、建物にも大きな影響がでます。

住む人の生活に大きな支障をきたすだけでなく、その問題で、精神的に大変な負担を受けることになります。

 

 

では、

なぜ不同沈下は起きるのでしょうか。

以下が考えられます。

 

1.切り土や盛り土が行われ、1つの敷地の中に、地盤の強いところと弱いところができる。

良くあるのが、緩やかな斜面を造成した住宅地です。このような団地では、造成で盛り土のために土を搬入したり、切り土で土を搬出したりして、土の切り盛りにお金をかけたくありません。コストを考えれば、例えば、「住宅一つ区画の中で、半分切り土して、半分側に盛り土する」 こう設計すれば、土に運搬距離も少なくコストダウンになります。

この場合、切り土部分は、昔からの圧密された安定した土質であることが多いですね。しかし、盛り土部分の施工が悪いと、こちらは家の重みがかかると下がりやすいことがあります。

 

2.遠い昔、小川が流れていたり、ゴミ捨てなどの跡があったり、池の跡があったりして、敷地内に、土の堅さの違うヶ所がある。

 

3.軟弱地盤であるにもかかわらず、適切な地盤改良工事がされていない。

 

こうした、カ所に不同沈下が起きないように、あらかじめ地盤をしっかり調査し、その結果でちゃんとした基礎(地盤)設計することが必要です。

 

続く

 

 

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