『女川町その1』
石巻市の被害の悲惨さにショックを受けながらも、次の視察地の女川町へ車を走らせました。
女川町へは山側から下るかたちで入っていきました。
ここの様子は、今までの地区と様子を異にしていました。
女川町はV字地形の典型的地域です。半島が突き出ています。
半島の先では6mの津波も中程では12mに、さらに幅も狭まり海水の生き場所もありません。高さはどんどん上に水が上がるしかありません。そして湾の奥に女川町はあったのです。そんな地形の町です。
津波の威力はこの町が見てきた中では一番激しかったです。
3階建てのビルの屋上に車が載ったままです。奥のビルにも載っています。
今日は、どれだけ津波の勢いがすさまじかったのか、ビルの倒壊写真で紹介していきます。
このビルは本来4階建てでした。
復旧・復興のための道路開通に邪魔になるとの理由で、急遽3階4階部分だけ解体されました。
よく見ると、抜け出た杭がぶら下がっています。
基礎と地中梁を綺麗に見せています。本来地中にあり、工事中にだけ上から見るべき基礎・地中梁を下から見ることはこの後一生涯無いとおもいます。
このビルも引き抜かれた杭がぶら下がっています。
このビルは、驚くことに足下に基礎の跡がありません。
転倒した後、20m以上さらに押し流されています。
こちらもコンクリート造の建物です。屋上が外壁のようです。
下屋のあとが見られます。
このビルは海側に倒れています。
引き波で倒れたようです。引き波の凄さを示した建物です。
コンクリート造のこの建物を見てください。
測ったところ壁厚12cmのコンクリートの壁がこのありさまです。
しかも津波に正面の壁がまともに力を受けて大破したのではなく、90度にある2面の壁が同じく大破しているのです。
「建物を海に向かって45度にハス建て、いざというときの津波の力を避ける」なんて考えも全く通じないことを示している建物です。
女川町では、今までの海岸線沿いの地域で調べてきた、「このような作りの住宅が残る」などということは全く言えません。
RC造、S造、全ての建物が無力です。まして木造の住宅は波打ち際の木の葉のようなものでしょう。
恐ろしい津波の威力を見せつけた女川町です。
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