『感動の一本』
皆様ご存じのとおり小津安二郎監督の1953年の「東京物語」リメイク版です。
「東京家族」は山田洋二監督が小津監督への深い思いが最後のエンドロールが感じられます。
先週の「渾身」も素晴らしかったが、今回の一本は驚きの作品です。
この作品を、つまらない、眠くなった、引くなどと感じる人がいることに驚きです。
この淡々と会話で流れていく作品を、このように評する人物は感性が普通の人ではありません、人の感じる自然の感情の回路を壊しています。
自分が人として普通の人間か?この作品を観て感動するかどうかで確認してみてください。
私には1年に一本あるかどうかの感動作と感じられました。
家族とは振り返るとどんななんだろうか?
子にとって親はうるさく、気難しく、いつまでもウザったい。離れて暮らしたいと思う存在。
しかし年を取ってくると、いつしかの親が気弱になってくる、いつしか自分の都度で親の行動を自由にしたくなる。
親はいて当たり前。子供や奥さんに比べたら3番目の存在、
しかし、居なくなって自分の人情の無い対応に気が付く。
親への気持ちに気が付く。
反面、親は子が生まれた瞬間から変わることなく愛し続けます。
孫ができ、自分が歳取老いて行っても子に対する心配は尽きません。愛は変わりません。
それが親です。
私はそう思うのです。
スクリーンで淡々と流れる家族の普段の会話は、忘れていた自分が家族(老いた母や、長く連れ添った家内、子供たち)へすべき感謝の気持ちの表現の必要性を思い出させてくれました。
当たり前の表現を当たり前にできていない自分に気が付きます。
映画って本当にいいものですね。
いつもいつも勉強させられます
いつもいつも人として自己反省させられます。
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